【教育情報】「合わせる」「集める」「加える」がわからないタワマンっ子

空を突き抜けるように建つ、豪華なタワーマンション。ここの上層階で育つ子供たちは、どうも変だ―――。 

中学受験専門のプロの家庭教師として、長年、子供たちを教えてきた、西村 則康さん。どちらかというと、裕福な子供たちを教えてきた西村さんは、タワーマンションの上層階で育つ子供には「共通項」があることに気付きます。それは、

「成績が伸びにくい」

ということ。

■刺激も変化もない「快適な室内」が奪うもの

55階建てのタワーマンションの最上階で暮らす小5のA君。

A君の家は、大理石の玄関、ふかふかのじゅうたん、落ち着いた間接照明という快適な室内。しかし、A君はなかなか集中できない、という悩みがあります。その原因は、その快適な室内そのものにある、と西村さんは考えています。

タワーマンションの上層階は安全のためにわずかしか窓が開きません。そのため子供たちは、温度が一定の快適な空調の室内で育ちます。空調のある環境が当たり前の暮らしになれたA君は、外に出て遊ぶのを嫌がります。室内では、暑さや寒さ、そよ風の流れを感じることもありません。鳥の鳴き声も聞こえません。ふかふかなじゅうたんでは、子供の身体感覚が育ちません。

刺激も変化もない空間にいると、子供たちは様々なことへの好奇心や興味を示さなくなります。

■外遊びの経験がないと「算数」の文章題の意味がわからなくなる

別のタワーマンションの最上階で暮らす小2のB君。B君の母親は、トップクラスの中学校を受験させようと、幼児の頃から早期教育を受けさせてきました。ただ、残念ながら、B君の成績はいっこうに上昇しません。文章題が全くできないのです。

B君は外遊びの経験があまりありません。砂場で砂を集めたり、水をバケツでくんだりしたことがありません。そのため「合わせる」「加える」「集める」という表現に、イメージが持てません。文章題を読んでも、「これは足すの?引くの?」とトンチンカンな質問をしてきます。

■四季の変化のなさが「国語」や「理科」が苦手な子を育てる

タワーマンションの上層階は、風や雨、日光を感じることが少ないので、四季の変化を感じにくい環境です。国語の文章を読んでも、四季のイメージや自然の情景が浮かびません。「初夏のさわやかな朝」といわれても、「初夏」「さわやかさ」の感覚がないのです。四季の変化を感じないと、旬の食べ物や植物にも関心がなくなります。じゃがいもが土の中で育つことが知らない子もいるのです。

小2のCちゃんは、土いじりの経験がありません。

そのため、理科の植物分野全体が苦手です。西村さんは、Cちゃんにプランターでゴーヤを育てることをすすめました。自分で、ゴーヤの世話をして育っていく様子を見るうちに、植物への興味が出てきました。

■大人の都合を優先していないか?

タワーマンションは、大人が快適に都会で過ごすには適しています。でも、子供が育つ上では、どうでしょうか?

一年中、一日中、快適に過ごせるタワーマンション。しかし、変化のない環境では、子供は飽きて、疲れてしまいます。風が吹いたり、光がゆらめいたり、暑さや寒さの変化のある場所。そんな、少しくらい不快な環境の方が、子供の集中力や身体感覚が育ちます。そして、快適な室内は、子供が伸び伸びと育つには向いていません。五感を刺激しない環境では、子供が様々なものへの興味・関心を育たないからです。


学びの根底には「生活」「自然」がある。


成績が伸び悩む子供たちには、その重要な根底の部分が欠けている。西村さんはそう考えています。


参考資料:タワマン上層階の子「成績は低迷」の理由(プレジデントオンラインより)

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