思考の射程距離を伸ばし、いち早く同類闘争の地平に立つ

4月は新入社員が入社する季節。弊社でも今年もフレッシュな新入社員を迎え入れたところです。
そこで、新社会人となったみなさんへ、会社が期待することについて書いてみたいと思います。

●学生と社会人との違い ~同化の射程距離~

学校を卒業すると、まずは何らかの組織に就職することがほとんどです。
そのため、自身が所属する組織と、(その組織が置かれている)社会的な外圧を対象化しないと、自身に求められる期待も役割も定まりません。
また、客先でも社内でも、相手の期待に応えることが仕事の基本ゆえ、どんな仕事も相手に同化するところから始まります。

ところで、学生の間は、付き合う友人を選べます。そうして集まってできた友人同士の集合体は、決して集団や組織ではないですし、同化対象もせいぜいその内輪に留まるのみです。もっと言えば、そもそも学生の間は、外圧が弱い、解決すべき課題がない状態です。

そして、いざ就職活動を前にすると、専門性の高い建築設計の職業に限らず、世間では“スキルアップ”や“自己分析”が重要などと、相変わらず“個人(主義)”を原点としたキャッチコピーばかりが目に付きます(実際、これで苦しんでいる学生も案外多いです)。

学生時代の仲間関係、一向に個人主義(旧パラダイム)で学生を煽るメディアに囲まれれば、組織的視点がなかなか養われず、同化対象が狭く、その射程距離も短い状態になってしまうのも、致し方ありません。


●組織的視点⇒同類闘争の地平に立つ

新入社員に期待するのは、“身近な相手だけを対象化していても全く不十分(使いものにならない)”ということです。実際、目の前の客先の意見だけ聞いていても建築設計はできません。
目に見えない、会ったこともない、相手組織、競合他社、社会にまで同化対象の射程距離を伸ばして、初めて仕事ができるようになります。

逆に言えば、誰もが備え、経験してきた「身近な相手発という同化の射程距離をとことん延伸させていけば、そこに対象や組織があることを認識できる」ということです。

これは、赤ん坊から幼児の成長過程において、最も身近な母親から、徐々に母親以外の人へと対象世界を広げていくのと同じ構造です。それが子どもや人間の成長にとっての健全なプロセスゆえ、大人になって同じように行えばよいだけです。

同化対象を広げ、同化の射程距離を伸ばし、組織的視点を獲得することで、初めて同類闘争の地平に立つことができます。
そして組織が上昇するために判断していくことが、組織が最も人材に期待していることです。
同時に、それが新入社員をはじめとする若手にとっても最短・最速の成長の道となるはずです。(東京設計室 林 昭光)


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