会社で子育てしてみたら ~共同保育室のあゆみ~

 共同体の実現形態の一部でもある共同保育室がどのように生まれたのか、そのあゆみを振り返ってみました。

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 今の社会は核家族化が進行し、子育てが母子だけの課題になってしまっています。そのため、母親の子育て不安が増大、その不安が子供に転写され、人との距離感を計れない、対人関係に不安を覚える子供が増えているのが現状です。塾の経営でも深刻さを目の当たりにしています。

 このような社会的問題の一つの答えとなるのが、母子だけの空間から開放される「共同保育」ではないかと考えました。


―女子社員3人が同時期に妊娠。実現するなら“今しかない”。―

 何からどう手をつけていけば良いのか、最初は見当もつきませんでしたが、「仕事と子育ての両立」は多くの女性社員が通る道。まず直面している私たちが少しでも道を開こうと、「子ども・母親・みんなが充足」をキーワードに、各部門と調整を始めました。

 この課題に取り組む中で印象的だったのは、女性社員だけでなく、男性社員も全面的に協力してくれたことです。それだけ会社にとっても子供を育てるというのは重要な課題なのだと思います。


―大切なのは「みんなの中で子育てすること」―

 「子育てだけでも大変なのに、仕事もできるのか?」という声も最初はありました。しかし、実際に共同保育を始めてみると、親の気持ちが安定し、子供も安心・安定することがわかりました。

 仕事や子育ての課題も、社内で相談し合えるため心に余裕が生まれました。また、自分たち・子供たちの状況をサッと打ち合わせして、優先課題からどんどん進めることもできました。

 限られた時間の中、仕事と子育てをすることで、集中力も段取り力も、調整力もアップ、今では共同保育期間が女性社員の能力上昇期間になっています。


―子供たちが社内にいることが当たり前に―

 子供にとっても、いつもそばにいて気持ちを共有し合える仲間は、兄弟姉妹以上、狭い意味での「家族」以上の大きな存在。

 無我夢中で進めた共同保育でしたが、今年で5代目を迎え、2年前には東京事務所でも始動するなど軌道に乗ってきています。

 子供と一緒に打ち合わせに参加したり、後輩たちが赤ちゃんをおんぶしながら仕事をしてくれたりする姿が社内の当たり前の風景になりつつあります。子供の成長や状況に合わせて、「子供が保育園に入ったら、小学校に上がったらどうなる?」「病児保育をどうする?」とその都度、全社を巻き込みながら「みんなで子育てする」「社会全体で子供を見守る」といった意識が、自然に見られる職場になってきました。

自分たちのいきる場を自分たちで作っていける柔軟性が共同体の強みです。

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